お手軽おせち
大丸松坂屋オンラインショッピングのおせち料理を監修している、京都在住の料理研究家、大原千鶴さんが雑誌で紹介している「お手軽おせち」とインターネット通販で生産者から直接買える新鮮なおせち材料を紹介します。

- 手づくりのおせちは面倒くさいですよね。ですから当サイトのようなおせち料理のネット通販を紹介しているサイトが近年、人気上昇中です。
- 一方、手づくりのおせちは、家族の喜ぶ味にアレンジできるのが、醍醐味です。
- 大原さん流の軽やかな「お手軽おせち」のレシピは、おせちを時間に追われず、頑張りすぎず、楽しみながら作れるアイデアが満載です。
おせちの支度
- 「お手軽おせち」は、準備に何日間もかける必要はありません。
- 黒豆を一晩で戻し、オーブンで焼いたひたし豚を一晩つければ、前日準備はおしまい!
- ほかの料理と合わせて、30日に冷まし、31日に盛りつけます。
お手軽おせちの段取り
おせちはもともと、ふだんは忙しい家族が、お正月くらいは働かず、そろってゆっくり過ごすためのもの。
ゆとりをもって新年を迎えられるよう、段取りよく準備しましょう。
12月29日
- 黒豆;豆を調味液に浸して戻す
- ひたし豚;豚肉をオーブンで焼き、つけ汁につけておく
12月30日
- 揚げごぼうのごま酢あえ
- くるみ田作り
- 紅白なます2種
- トースターだて巻き
- えびの養老煮
- 長芋と結びお揚げの炊いたん
12月31日(大晦日)
- 盛りつけ
食材別お手軽おせちレシピ
黒豆
- すっきりとした甘味で、豆本来のおいしさがよくわかります。
- 豆を調味液に浸して戻し、そのままコトコトと炊くだけ。
- ゆでこぼす手問もなく、初心者でも失敗が少ないつくり方です。
鍋にAを入れて混ぜる。黒豆はサッと洗って水けをきり、すぐに鍋に加え、涼しい場所に一晩おく。
豆を洗ってぬれたままおくと皮が破れやすくなるので、すぐに調味液に浸す。水分量を減らすと豆が戻りにくくなるので、分量を守って。
1の鍋を中火にかけ、沸騰したらアクを取る。オーブン用の紙で落としぶたをし、煮立たせないようにごく弱火にして6時間(新豆の場合は2時間)以上煮る。
途中、豆が煮汁から出ないように適宜水を足し、アクが出てきたら取る。煮汁から豆が出ていると、しわが寄るので注意。
1粒食べてみて柔らかくなっていたら、ブランデーを加えて火を止める。煮汁に浸したまま完全に冷まし、味を含ませる。
豆によって柔らかくなる時間が変わるので、食べてみて確かめるとよい。
材料(つくりやすい分量)
黒豆(乾)…カップ1(150g)
A
ぬるま湯…カップ4
砂糖・・・100g
しょうゆ…大さじ1
ブランデー(またはラム酒)…大さじ1
1050kcal(全量)
塩分2.6g(全量)
6時間30分*
*豆を調味液につける時間、味を含ませる時間は除く。
保存
冷蔵庫で5日間
冷凍庫で1か月間
※豆が汁に浸った状態を保つ。
*画像・文章引用先;NHK きょうの料理 2021年 12月号P26-P27
揚げごぼうの胡麻和え
- 祝い肴の「たたきごぽう」をちょっとアレンジ。
- 揚げたごぼうは香ばしく、ごま酢もよくからみます。粉ざんしょうをきかせて小粋な風味に。
- ごぼうとにんじんは、揚げてから冷めないうちにごま酢にからめると、味がよくしみる。
ごぼうはよく洗つてすりこ木などで軽くたたき、7cm長さ1cm角程度の棒状に切る。
にんじんも同じ大きさに切る。
Aを保存容器やバットに混ぜ合わせ、ごま酢をつくる。
1のごぼう、にんじんに、かたくり粉をごく薄くまぶす。
鍋に米油を1~2㎝深さまで入れ、2のごぼうを加えて中火にかける。
竹串がスッと通るくらいに火が通ったら強火にし、カラッとさせて油をきる。
続けてにんじんを同様に揚げる。
3を温かいうちに、ごま酢に加えてからめる。(味がよくしみる)
器に盛り、すりごまをふる。
材料(つくりやすい分量)
ごぼう…1~2本(160g)
にんじん…1/2本(80g)
A
砂糖・酢・うす口しょうゆ…各大さじ2
すりごま(白)・・・小さじ2
粉ざんしょう…少々
米油(またはサラダ油)・すりごま(白)…各適量
・かたくり粉
460kcal(全量)
塩分5.8(全量)
15分
保存
冷蔵庫で3~4日間
*画像・文章引用先;NHK きょうの料理 2021年 12月号P28
くるみ田作り
- ごまめよりも苦みの少ない小さな煮干しをカリッと揚げて、さらに食べやすく!
- みつをしっかり煮立たせてから、手早くからめて仕上げます。
フライパンに米油を中火で熱し、煮干しを広げて入れる。
焦がさないようにカリッとするまで揚げ焼きにし、取り出して油をきる。
別のフライパン(表面加工のしてあるもの)にAを合わせて中火にかけ、みつをつくる。
大きな泡が細かくなって粘りが出るまでしっかり煮詰める。
材料(つくりやすい分量)
煮干し*・・(小)30g
くるみ(食塩不使用/ローストしたもの)…40g
A
砂糖…大さじ3
酒…大さじ2
しょうゆ…大さじ1
米油(またはサラダ油)…大さじ3~4
560kcal(全量)
塩分3.9g(全量)
10分**
*そのまま食べられるタイプの小さな煮干し。
**冷ます時間は除く。
保存
冷蔵庫で3日間
*画像・文章引用先;NHK きょうの料理 2021年 12月号P29
紅白なます2種
- さっぱりとした紅白なますは、おせちに欠かせない名脇役。
- 多めにつくって、食べるときにりんごや柚子でアレンジすると楽しいですよ。
大根、にんじんは細切りにし、塩小さじ1/2をまぶして10分間ほどおく。
ボウルに甘酢の材料を混ぜ合わせる。
1の水けを紋って加え、サッとあえる。
これが基本の紅白なます。アレンジせずに、このまま食べてもおいしい。
りんごなますをつくる。
Aのりんごは皮ごと細切りにし、チーズは5mm角に切る。
2の半量と合わせてあえ、器に盛って好みでハープを添える。
柚子なますをつくる。
残りの2にBの柚子の皮を加えてあえる。
器に盛り、好みで黒こしようをふる。
材料(つくりやすい分量)
大根…200g
にんじん…20g
甘酢
砂糖・酢…各大さじ1
塩…小さじ1/4
A
りんご…20g
プロセスチーズ…15g
好みのハーブ…適宜
B
柚子の皮(せん切り)…少々
黒こしょう(粗びき)…適宜
●塩
りんごなます100kcal(全量)
塩分1.9g(全量)
10分*
柚子なます
40kcal(全量)
塩分1.5g(全量)
10分*
*塩をまぶしておく時間は除く。
保存
冷蔵庫で3日間
*画像・文章引用先;NHK きょうの料理 2021年 12月号P30
トースター伊達巻き
- 卵3コとはんぺん1枚で気軽につくれる、オーブントースターサイズのだて巻きです。
- ラップとクリアファイルが巻きすに早変わり!
- わさびじょうゆをつければ、お酒の「あて」にも。
はんぺんは大きめにちぎってフードプロセッサーに入れ、卵とAを加えてなめらかになるまでかくはんする。オープン用の紙を敷いた天板に流し、オーブントースター(1000W/または、200℃に温めたオープン)で12~15分間焼く。全体に焼き色がつき、竹串を刺してみて生地がついてこなければ焼き上がり。
A4サイズのクリアファイルをきれいに拭いて、ラップを敷く。1の焼き目を下にしてのせ、紙をはがし、手前側に横に2~3本切り目を入れる。
手前からラップでしつかりと巻き、
さらにクリアファイルで巻く。
2か所を輪ゴムでとめ、立てて冷ます。
形が落ち着いたら食べやすく切り、好みでわさび、しょうゆを添えて盛る。
材料
(24×15X高さ1.5cmの天板1枚分)
卵・・・3コ
はんぺん…1枚(130g)
A
砂糖・・・大さじ2
うす口しょうゆ・・・小さじ1
わさび(すりおろす)…適宜
●しょうゆ
430kcal(全量)
塩分3.5g(全量)
25分*
*冷ます時間は除く。
保存
令蔵庫で3日間
*画像・文章引用先;NHK きょうの料理 2021年 12月号P31
浸(ひた)し豚
- 焼くのはオーブンまかせ、あとはつけ汁に浸しておくだけなので忙しい年末のつくりおきには最適です。
- おせちの中にこんな肉料理が1つあると、お祝い気分が盛り上がりますよ。
豚肉はオーブン用の紙を敷いた天板にのせ、塩小さじ1/4、こしょう適量をまぶす。
220℃のオーブンで30~35分間焼く。
中央を指で押して、しっかり弾力があれば焼き上がり。
小さめの鍋にAを入れて中火にかける。煮立つたら火を止めて、熱いうちに焼きたての1をつける。
つけ汁も豚肉も熱いうちにつけると、味がよくしみる。
2の粗熱が取れたら、ゆで卵を加えて冷ます。清潔な保存容器に汁ごと移し、冷蔵庫に一晩おく。ゆで卵は半分に切り、豚肉は汁けをきって、繊維を断つように薄切りにする。器に盛り、好みでせり、溶きがらしを添える。
肉が汁に浸った状態になるように、底面の小さい容器に入れる。ジッパー付き保存袋でもよい。
材料(つくりやすい分量)
豚肩ロース肉(塊)・‥400~500g
A
だし・‥カップ1と1/2
しょうゆ・みりん・‥各120ml
ゆで卵*…3コ
せり(長さを半分に切る)
溶きがらし…各適宜
●塩・こしょう
1230kcal(全量)
塩分7.8g(全量)
40分**
*卵を常温に戻し、熱湯で7分間ゆでて水にとる。
**豚肉の粗熱を取る時間、冷ます時間、冷蔵庫におく時間は除く。
・豚肉は冷蔵庫から出して1時間ほどおき、常温に戻す。
・オーブンは220℃に温める。
保存
冷蔵庫で5日間
※2日間は、肉が汁に浸った状態を保つ。3日目以降は汁と肉、卵を分けるとよい。
- 肉のつけ汁は、水でうすめてうどんのつゆや炊き込みご飯にも使えます。
- 忙しい日のお助けに!
材料(1人分)と作り方
小さめの鍋にひたし豚のつけ汁(上記参照)
水各カップ1/2を合わせ、ゆでうどん1玉を加えて中火にかける。
煮立ったら菜箸でうどんを混ぜ、煮汁にからめながら、好みの柔らかさになるまで煮る。
好みでひたし豚・ゆで卵(各上記参照〉・青ねぎ(小口切り)各適宜をのせ。粉とうがらし少々をふる。
280kcal*
塩分4.4g*
10分
*汁は全量を計算。
*画像・文章引用先;NHK きょうの料理 2021年 12月号P32-P33
海老(えび)の養老煮
- 「腰が曲がるまで」の長寿を願う縁起物。
- 煮汁につけたまま冷ますと、しっとりと仕上がります。
えびは殼の節に竹串を刺して背ワタを除き、尾の先端を斜めに切り落とす。
小さめの鍋にAを入れて中火にかけ、煮立ったら1のえびを1匹ずつ、重ならないように加えていく。再び煮立ったら弱火にし、2分間ほど煮る。
- えびを煮汁に全部加え、再び煮立ってから約2分間。えびのみそにきちんと火を通す。
火から下ろし、煮汁につけたまま冷ます。
汁けをきって器に盛り、あれば柚子を添える
材料(つくりやすい分量)
車えび(有頭/殻付き)・・6匹
A
だし…カップ1と1/2
酒・うす口しょうゆ…各大さじ1/2
柚子(くし形に切る)…適宜
120kcal(全量)
塩分0.9g(全量)
1O分*
*冷ます時間は除く。
保存
冷蔵庫で3日間
※えびが汁に浸った状態を保つ。
*画像・文章引用先;NHK きょうの料理 2021年 12月号P34
長芋と結びお揚げ炊いたん
- 長芋は「亀甲」、油揚げは「結び」の形にしておめでたさを演出。
- 調味料は控えめにして、素材とだしのおいしさを生かします。
長芋はよく洗って皮付きのまま、約4cm長さ(重箱に詰める場合は、重箱の高さより少し低めの長さ)に切る。
- ぬめりのある長芋も、まな板に置いたまま皮を切り落とせば簡単。
まな板に立てて置き、切り口が六角形になるように皮を切り落とす。
油揚げは長さを半分に切り、熱湯で1分間ほどゆでてざるに上げる。
- 油揚げの長さが短ければ、幅を細く切ると結びやすい。
粗熱を取り、2cm幅に切って結ぶ。
鍋にAと1、2を入れ、ふたをして中火にかける。煮立ったら弱火で15分間ほど煮て火から下ろし、そのまま冷ます。器に盛り、絹さやを添える。
材料(つくりやすい分量)
長芋…20~25cm(正味350g)
油揚げ…1~2枚(100g)
A
だし…カップ2
うす口しょうゆ…小さじ2
塩…小さじ1/2
絹さや(ゆでたもの)‥・適量
660kcal(全量)
塩分5.3g(全量)
25分*
*油揚げの相熱を取る時間、煮たあと冷ます時間は除く。
保存
冷蔵庫で3日間
切り落とした皮もむだにはしません!
切り落とした長芋の皮全量にかたくり粉を薄くまぶす。
170℃に熱した揚げ油でカリッと揚げ、油をきる。
塩・花椒粉(ホワジャオフェン/又はコショウ)各少々を混ぜ合わせ、1にふる。
110kcal(全量)
塩分0.6g(全量)
5分
*画像・文章引用先;NHK きょうの料理 2021年 12月号P35
銘々(めいめい)おせち料理とは?
銘々(めいめい)おせち料理とは、小さな容器に1人分ずつおせちを詰めることです。
これなら家族の好みや食べる量に応じて調節がききます。
ふたをして冷蔵庫に一時保存もできますし、取り分けスタイルよりも気兼ねがなく衛生的、というメリットも。
手作りのおせちではもちろん、個包装のおせちでもできます。
- 黒豆のようにこまごました料理や汁けのあるものを入れるのに重宝するのが、小さな酒器。
- 飲んべえさんのお宅には、たくさんあるでしょうから、よりどりみどり!(笑)
たくさん召し上がる人には大きめの容器、お子さんには食べやすい味つけのものを選んで小さめの容器に、と変化をつけるのも良いものです♪
- 市販のお弁当の折り詰めやお菓子の缶も、葉らんや南天、シダなどの葉を敷けば、お正月らしい器に。
- 小さなかごには経木を敷くと。おせちが盛りやすくなります。
- 手ごろな容器がなければ、もちろん、お皿に盛ってもいいです。
*画像の一部・文章引用先;NHK きょうの料理 2021年 12月号P36